経営者にとって資金繰りというのは最たる悩みです。そのため、取引業者に対して、もう少しまけられないかとつい言いたくなってしまう経営者も少なくはありません。不況になればなるほど、コストに対するシビアな要求というのは加速します。経営者にとって同じようなサービスや商品の提供が受けれるのであれば、少しでも安いところから手に入れたいと思うのは当たり前のことです。
その少しでも安くという行為の一つとして値切りがあります。値切りによる損益面での効果を値切る側と、値切られる側、両方から見たとき、値切る側は定価で購入する場合と比べてコストの減少と利益の増加がもたらされます。一方、値切られる側は安価で販売する場合に比べると、売り上げの減少と利益の減少があるわけです。こと損益面からいえば、値切る側が有利になればなるほど、値切られる側はダメージを受けることになります。
そのため、値切られる側は唯々諾々と値切りに応じるのではなく、それなりの条件を出してくるようになるものです。たとえば、大量販売を条件にして売上代金の一部を戻したり、決済条件を少しでも早くすることにより、早期決済期間分に相当する金額を割り引く交渉をおこなってきます。値切られる側もこれらの対策により、多くの在庫処分や早期決済につなげ資金繰りの好転をはかるわけです。そのため、その対応策次第では、値切る側は余分な在庫を抱えたり、支払い条件が不利になるため、結果的に会社からお金がなくなり、資金繰りが悪化することになります。
値切ることに固執しすぎると知らず知らずのうちに資金繰り面でのデメリットを負うことになってしまうため、値切りが本当に効果的なものであるかを見極めることが重要です。
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