お金の流れが読めないということは今、現在どの程度のお金が使えるのかわからないということにでもあります。その結果、お金を使いすぎて資金繰りが悪化するというケースがほとんどです。中にはお金をまったく使うことなく、会社内に貯蔵状態のお金が留まっているような会社もあります。こういった会社をキャッシュリッチな会社といい、資金繰りの面からすれば理想的なようにも見えるものです。
しかし、とくに目的もなくただお金が貯蔵されている状態、つまり経営資源たるお金が在庫として眠っている状態ともいえます。経営におけるお金の役割は増殖することにあり、そのためにはお金を適切に投資、消費しなくてはならないのです。お金を使い道を考えることも経営です。資金繰りが悪化しているわけではないので、キャッシュリッチな会社は否定されるものではありませんし、むしろ贅沢な悩みであるともいえますが、別の角度から見れば、お金が増える機会を自ら損失しているともいえます。
意識的な投資スタンスであるキャッシュイズキングと同様に、キャッシュリッチも意識的であることが必要なのです。一方で、資金繰りに問題を抱えている会社はその仕組み自体になんらかの問題を抱えていることがほとんどです。お金の流れが非常に雑で、かつその動きが不明瞭な点が多くなっています。しかし、社長自身がそれに気づいていないことも多いのです。
なぜなら、一度できたお金の流れは会社の仕組みとして習慣化し定着しているのでそれが当たり前になってしまっているからです。どちらのパターンも意識的でないことが機会の損失や資金繰りの悪化を招いているもので、経営者としてお金の流れ、そしてお金の有効な使い道を考えることが重要になります。
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